Dr.コバヤシの 歯ごたえのある話[9]

超高齢化社会の医療を考える

日本は2007年以降人口減少社会になっており、2020年には、65歳から74歳までの「前期高齢者」と、75歳以上の「後期高齢者」の絶対数が入れ替わる超高齢化社会に入ります。これにともなって、単身高齢者世帯も急増してきます。  

高齢になればなるほど、ひとりでのケアは難しくなってきます。仮に充分な介護サービスを受けていたとしても、急変時には救えない事態が起こりえます。  

地域包括ケアは、自助・互助・共助・公助でなければ安心した老後は送れません。そして医科・歯科・薬科の提供のあり方を、「施設完結型」から「地域完結型」に転換を図り、生活サービス等を活用する必要があり、地方自治体が中心となって地域全体を支えなければなりません。しかし国民の認識と理解は、まだまだ高まっているとはいえません。  

現在、健康寿命と平均寿命には10年の差があると言われています。この10年の差を、地域支援の輪によって縮めなくてはなりません。国民皆保険制度によって、日本は長寿社会を実現しました。この保険制度を有しているがゆえに、国民の健康をこの先どのように守っていくかが問われています。  

幸いにも、飯田下伊那地域は昔から地域内で助け合う風土やコミュニティがあります。ぜひみなさんも地域で知恵を出し合い、さまざまな活動やサービスに参加して、地域完結型のケアを行っていきましょう。   

Dr.コバヤシ(小林歯科医院 小林孝次) 高森町下市田2940 ☎0265-35-2316