Dr.コバヤシの 歯ごたえのある話[5]

「粘膜」は健康のバロメーター

お口の粘膜は、身体の粘膜と違って、過酷な刺激にさらされ続けている場所です。歯によって間違って傷つけられたり、カリカリに焼いたトーストの角で引っ掻かれたり、熱い飲みもので火傷をしたり、時には歯ブラシが当たり損ねて傷ついたり……。潰瘍や水疱ができてしまい、感染を起こして赤く腫れ、口内炎(アフタ)になったりしたことは誰でも経験あると思います。またこれだけではなく、身体の病等が、症状として口腔粘膜に現れるときもあります。  

普段あまり意識してはいませんが、私たちのお口の中には細菌がいっぱいです。楊枝の先にチョコッとついた程度の歯垢(プラーク)の中に、数十億もの細菌がいます。ましてお掃除がていねいにできていないお口の中には、大変な数の細菌が潜んでいます。このため、お口の粘膜にできた傷・水疱等の口内炎は二次感染を起こしやすく、時には癌にまで変化を起こすことがあります。  

ぜひこれからは「歯」だけでなく、お口の「粘膜」も観察していただきたいと思います。定期的に通院し、クリーニングを受けメインテナンスをしてもらいましょう。そして同時に粘膜もチェックしてもらいましょう。この一歩があなたの身体の健康管理に必ず役立つでしょう。

口腔内には細菌がいっぱい

Dr.コバヤシ(小林歯科医院 小林孝次) 高森町下市田2940 ☎0265-35-2316